薬剤師と言えば、免許さえあれば転職も安泰と言われていました。しかし近年は薬局の仕事以外で勉強して簿記を取得している方も増えています。薬剤師の数が飽和してきている背景もあるため、簿記などの資格を取る方が増えています。しかしなぜ簿記がおすすめなのでしょう。
日商簿記はどんな資格?
日商簿記検定試験は、日本商工会議所および各地商工会議所が主催する検定試験。年間で40万人が受験しています。お金の出入りがある場所では必ず使用されているのが簿記の資格なので、幅広い職業の方が受験をします。簿記検定にも様々な種類があります。
受験資格
日商簿記検定は、1級から3級まで受験資格の無い試験です。年齢、国籍など関係なく誰でも試験を受けることができます。3級に合格しなくても2級の受験が可能ですし、2級に合格しなくても1級の受験が可能です。
試験科目と概要
試験内容 | 試験時間 | 点数配分 | |
3級 | 商業簿記 | 60分 | 100点 |
2級 | 商業簿記/工業簿記 | 90分 | 60点(商業簿記)+40点(工業簿記) |
1級 | 商業簿記・会計学/工業簿記・原価計算 | 90分(商業簿記・会計学)+90分(工業簿記・原価計算) | 各科目25点 |
合格ライン
合格ラインは、3級・2級・1級すべてで70%以上となります。絶対評価のため、試験の難易度や他の受験生のレベルには影響を受けません。1級においては、1科目ごとの得点が40%以上の必要があります。
試験の実施
試験はネット試験とペーパー統一試験があります。ネットは各地のテストセンターにて受験する形式になり、時期はいつでもOKになります。インターネット回線を利用し、PC上で解答していくため、試験終了後すぐに結果が分かります。ペーパー統一試験は従来通りで6月・11月・2月に実施され、特定の場所に集まって受験するという形を取ります。
受験料
1級が7850円、2級が4720円、3級が2850円になります。受験料の支払方法は銀行振り込みやクレジットカードもしくはコンビニ/Pay-easy払いなどもありますから多岐にわたる支払方法に対応ができています。
当日持参するもの
当日持参するものとしては身分証明書が必須になります。これは本人確認が必要になるからです。それ以外では筆記用具、さらには電卓なども持参可能です。それ以外の持ち込みは禁止になっていますので注意するようにしてください。
なぜ薬剤師に簿記?
薬剤師と簿記。とても考えられない組み合わせです。薬剤師は簿記を勉強すべき理由があります。
経営に活かす
もし従業員ではなく、軽傾斜になりたい薬剤師の場合は簿記がおすすめ。自社や自店舗の経営管理に活かしたり、取引先などの経営状況を適切に判断できるようになるからです。分析力やコスト意識も高まるため、優秀な経営者になれます。そのため、経営部門で働きたい方にはこの資格はとてもお勧めですし、優遇してもらえる可能性はあります。ただし1級が絶対条件になるでしょう。
経営者になる
経営者になるという薬剤師の方もいます。自分でドラッグストアや薬局を運営したいという方には簿記はお勧めになります。簿記の資格自体を活かすわけではなく、勉強してきた内容自体が経営にとって有利になります。
フリーランスになる
経営や起業はリスクが伴いますが、フリーランスの場合でも簿記はあった方がいいです。開業すれば、自社の事業を数字で評価して経営分析を行わなければなりません。税理士に決算書の作成を依頼するケースは別ですが、そうではない場合はこの知識は必要になります。
薬剤師に必要な簿記レベル
薬剤師が経営や転職時に簿記を活用したい場合は2級程度が好ましいです。それぞれの階級には目安があります。スキルに加えて資格があると有利。個人で対策を学習して合格を目指しましょう。今はサポートをしている良い学習塾もあります。
1級 | 公認会計士や税理士を目指す人 |
2級 | 経営に活かせる実践レベル |
3級 | 基礎レベル |
上記でも説明した通り、簿記を取る方はフリーランスや経営者を目指す方が多い傾向にあります。プライベートで家計の管理をするのが目的の場合には、基礎知識レベルの3級で差し支えありません。履歴書に簿記の資格を記載する場合は、一般的には3級以上にするのが一般的です。2級以上だと実務レベルの知識を保証できるため、ビジネスでもかなり重宝されます。
転職したい場合も簿記はお勧め
転職の際に簿記を記載していると、会社役員や、経営部などに転職するときは有利に働きます。特に2級以上を持っていると有利になるでしょう。転職は色々な職業がありますが、特に経営陣を目指す方には簿記がとてもお勧めです。転職を考えている方は転職エージェントを活用するといいでしょう。薬だけでなく簿記をとって経理、事務、医療事務へのチャレンジや活躍も可能です。
※当記事は株式会社フォーサイトにも掲載されました。
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