薬剤師が多数活躍している業界が製薬業界になりますがcraの転職をするにあたり求人情報のなかで離職は気になります。その製薬業界の中でもCRO企業はそこそこ入社しやすいため、未経験でも挑戦しやすいことで知られています。しかしCRO企業は離職率を低く発表しているのです。これにはどのような裏があるのでしょうか。
CRO業界とは?
CROとは「Contract Research Organization」の略で、日本語では「医薬品開発業務受託機関」と呼ばれています。製薬業界では以下の記事でも紹介している通り、外注化を進めており、近年コストカットをする傾向が強くなっており、CRO業界への需要が高まっています。CRO企業は製薬会社から治験業務を代行する下請け会社になります。主に臨床開発の仕事を代行することが多く、CRA、データマネジメント、統計解析、メディカルライティングなどの業務を行っています。
CRO業界の離職率
CRO業界の離職率は求人広告などを見ると、離職率1~2%とか発表しているケースが多いです。しかしこれは実際の離職率よりも低く発表されていると指摘されることが多いです。ではなぜ、離職率が低いと言われているのでしょうか。看護師や臨床検査技師などもやりがいを求めて、多数医療業界へ来ますが、なぜか環境的に就業期間が長続きする状況ではありません。他よりも詳細をいえばきついところもあり、担当の面接や募集の内では分からないことも多いです。
ブラック企業であると思われたくない
CRO企業に限らず、企業のほとんどは自分をよく見せたいと思うはずです。そのため、正直に離職率を公表することはまずありません。そのため、求人広告などの離職率を鵜呑みにすることはとても危険なのです。選考で内定は簡単ですが、CRCや研究分野の職種なども同様の傾向が見られます。グローバルな会社だと東京や大阪で特集を組まれて多数の求人の掲載もありますがこれは退職が多いからでもあるのです。必要な資格を取得していると優遇されますが、決して良いことばかりではありません。
離職率の計算方法
CRO企業に限らず、企業のほとんどの離職率の内容は、社員全体で計算されることが多いです。これは新入りから古株をすべて含めて計算していることが多いです。そうすると、必然的に分母が大きくなり、結果として数字が下がるのです。実際に離職していくのは古株よりも新入りのほうでしょう。新入社員ほどやめていく傾向が強いことは誰でもわかるはずです。現在は英語や転勤などやりたくないことを無理やり本社などで強制させられいやいやになる方もいます。評価は人によってかなり分かれます。
新入社員の数年後
これからその企業に入社したい場合、気になるのは新入社員の離職率でしょう。新入社員の3年後、そして5年後の離職率が最も気になるはずなのです。ホワイト企業は、新入社員に対する教育制度や、社員同士の関係も良好であることから、辞める人は少ないですが、CROの場合は良く辞めています。体感でいうと、新入社員の離職率はCRAで30%くらいはあると思います。その他であれば10%前後の気がします。福利厚生などもあまりなく、みんな管理職でもなければあっさり転職していきます。
CRO業界の離職理由
それでは筆者はCRO業界で10年程度働いていたのですが、体感ベースで見た場合、どのような理由で会社を辞めていったのかをまとめてみました。これからCRO業界でキャリアを築いていきたい薬剤師の方は参考にするといいでしょう。留まる人が少なく、もちろん給与条件次第では希望の業界、MR、医療機関、施設へ出ていく人が非常に多いです。完全に基本はサービスの業種なので手当も微妙で新卒からずっと働ける雰囲気ではないところも多いです。自身で決断して他社に移っていく方は多いです。
製薬会社へ転職
現状CRO業界で経験を積むと、製薬会社へ転職する方が多いです。CROは所詮サービス業で製薬会社はメーカーになるため、製薬会社のほうが体力がありますし、外資系企業になると給料、待遇も遥かに上になります。そのため責任のあるリーダーなどの仕事の経験を積んだ方はステップアップしていく傾向が強いです。求人情報がとても少ないため、選ぶには時間がかかります。担当者による選考も厳しいです。
CRAの場合
CRAはCRO業界の職種の中でも中途が多く飛びぬけて離職率が高いです。その理由としては外勤がとても多く、外泊を伴うことも多いため、子持ち家庭などの場合は、なかなか忙しいハードな生活を強いられてしまうのです。働き過ぎてボロボロになったり、肉体的に辛くなってやめていくケースがとても多いです。出張も多いため、負担が高く勤務時間なども残業が続きやすいです。
昇給しない
CRO業界の共通の問題としてしっかり昇給しないという問題があります。これは企業努力が足りないことが最大の原因です。CROは新たに転職してきても、何年働いても昇給は微々たるもので、大した昇給はできませんので辛いです。そのため、総合的に立場的にも低い人は年収アップを狙って他社へ転職していく方がとても多いのです。メーカーと比べても全然のびません。
結婚、出産
CRO企業は女性比率がとても高いです。全体で見ても半分以上は女性になるため、結婚、出産を機にやめていく方は多いです。残念ながら日本のCRO企業の中には育児休暇、産休制度などが一切ない会社も多く、辞めざるを得ないという事情もあるのです。売上アップを目指すため、結果ありきなので入社後ギャップを感じる人もいます。
激務でダウン
CRO企業で勤務する場合は、1人が複数のプロジェクトをかけ持つことが多く、仕事ができる方には仕事がどうしても集中していきます。使い潰された優秀な社員ほど疲弊していき、嫌気がさして辞めていくというケースが多いです。スキルは身につきますが半数はストレスなどで悩みます。充実せずに専門職へ転身するケースも多いです。
精神疾患
CROはサービス業になります。例えばクライアントが高圧的なタイプであると、精神的に追い詰められるケースも多いです。製薬会社の中にはあからさまにCRO企業を見下している人間も多いため、CRO企業のクライアント対応はきついと言われています。そんな中で勤務していると精神的にやられてしまう方も一定数います。残業も多いケースがあるため、不満を抱える方もいます。
CRO転職はエージェントがおすすめ
CRO業界は企業の数がそもそも少ないです。そのためこれから転職するにしても自力で転職することはかなり難しいです。転職エージェントを使えば、非公開求人も多く扱っているためチャンスはとても多くあります。
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