薬剤師の仕事のキャリア転職先として採用が求めることができるのが製薬業界の企業になります。製薬業界の臨床開発部門では統計解析という部門があります。薬剤師の方が統計解析へ行くケースはとても稀であり、なかなか例がないのですが、CROや製薬会社に入社できれば異動で統計の仕事をすることが可能になります。
統計解析とは?
統計解析はデータマネジメント部門が作ったデータベースや外部ファイルを元に集計業務を行います。そしてそれだけでなく統計検定を使った分析も行います。統計解析が行った分析の結果はメディカルライティングへ渡されます。統計解析では主に統計学の素養が問われるケースが多いです。統計解析部門はCRO企業か、製薬会社にあります。医療機関のプロジェクトでは薬の効果に関して解析をやる感じになります。大学や大学院は理系の専攻だと好ましいです。
仕事内容
統計解析の全体の仕事内容は大きく分けて以下の4つになります。他にもありますが、大枠としては以下になります。医薬品の臨床試験において統計担当としてデータ解析を実施します。大きな新薬開発サービスに自身で貢献したい方や医療、研究分野に興味のある方はやりがいがあるでしょう。患者の活動、健康データを解析します。依頼された仕事において現場で携わる内容はとても専門性が高いです。
統計解析計画書の作成
統計業務を行う場合、そもそもどのような疾患を扱い、医療機器の解析をするのかということをデザインとして概要の計画書にまとめ上げる非常に重要な仕事があります。この解析計画の内容に沿って実際のデータ分析業務が行われますので、専門性のある一番重要な文書情報になります。
図表レイアウトの作成
現在統計解析計画書の作成と同時期に行うことが多いのがこの図表レイアウトになります。これは実際にどのような集計を行うのかをExcelやRTFファイルとして作成します。そして担当者はこのレイアウト通りに集計結果を出力し、解析帳票を作成して納品する形になります。安全性や有効性を集計結果から判断します。
解析用データセットの作成(ADaM)
解析計画と図表レイアウトが作成できると、次は解析用データセットと呼ばれるものを作成します。これは解析帳票を作るためのデータを作ることになり、中間データという位置づけになります。これはSASというソフトを使って作成するのが一般的です。かなりマニアックな業務なので、支援業務の経験などキャリアがないと目指して働くのが難しい業務かもしれません。
解析帳票の作成
解析用データセットを元に、解析帳票を作成します。簡単な頻度集計から要約統計量の算出、さらには統計検定を使い、統計量を出したり、p値を算出することもあります。ここでもSASと呼ばれるソフトを使用します。仕様書通りに作成できているか、検証して品質を向上させます。
統計解析は未経験でも挑戦可能?
統計解析は未経験でも挑戦可能ではありますが、薬剤師の場合は就職活動がやや難易度が高いと言われています。実際に統計解析に挑戦する場合は、まずCRAなどの職種でCRO企業へ入社し、今後数年後に解析へ異動するというパターンが一般的になります。なぜ薬剤師は解析業務が難しいと言われているのかは以下の点が挙げられます。日々関わる業務がかなり専門性が深いため、最初から経験している方は少ないです。
統計学の素養
統計解析部門の場合、所属部署として統計学の素養が各種どうしても問われることになります。統計解析部門の場合、IT業界から転職してきたりするケースが多いです。薬剤師の場合、統計学の素養がないケースも多いため、一から学ぶことになるでしょう。新卒採用とは違って厳しい一面もあります。会社の事業について資料もネットで提供されているので研究しておきましょう。制度や福利厚生が適切でしっかり活用できる環境です。
SASプログラミングのスキル
統計解析部門の場合、SASプログラミングがほとんどになります。SASを使ったプログラミングスキルが必須となるため、薬剤師の場合、最初の段階ではプログラミングスキルがない方が多いため、苦労することが多いです。加えてSAS自体の求人募集や案内もwebページを見ていると少ないですから、最初は未経験者が多いです。チームでシステムのコンサルティングやPGをやったことがあれば有利。社内では英語も使うのでメンバーは具体的にメッセージのやりとりもできると有利です。
資格があると尚よし
エントリーするさいは専門知識のほかにも目指すうえで資格があると優遇されます。採用情報では統計の対応のほかに統計検定など試験に合格したかと聞かれることも多いです。またSASの環境にもなりますのでSASの資格があると有利。必要な研修や教育なども能力に応じてグループで実施されますが、インタビューのときに求められるのは製品の知識などより、どうしても数学の素養になります。
CROへの転職が一般的
統計解析業務をしたい場合は、まずCRO企業へ転職することが一般的です。ここ数年は製薬企業がコストカットに積極的になっており、人員募集がなかなかない状態にあるからです。その一方で、CROは受注が増えているため、統計解析の募集も年中出ていることが多く、未経験の薬剤師でもチャンスはあります。そのため、まずはCRO企業への転職が現実的ですが、統計解析の場合募集枠がとても少ないです。募集枠が1しかないことが多いので、まずは別の職種でCROへ入社する方がいいかもしれません。
臨床薬理よりハードルは上がる
臨床薬理であれば、薬剤師も優遇される可能性があるのですが、統計解析部門の場合、接点も薄れるため、未経験の場合だと、入社難易度が上がっていきます。薬剤師の実務経験があれば応募できる統計解析職の求人も多く出ていますが、やはり未経験よりも解析経験者が優遇されていきますので、それほど簡単ではないというのが実態です。
転職エージェントのお勧め
統計解析部門の場合、CROでもかなり特殊な部門になり、採用枠が少ないことから一般応募で採用まで持っていくことはまず不可能です。そのため、専門の転職エージェントを使うことをお勧めします。転職エージェントは製薬企業の求人を多数持っているため、目的によりもちろんチャンスが多くあります。
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